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「世界」という枠


京都国立近代美術館で開催されている
「舞台芸術の世界〜ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン〜」展の
オープニングに行って来ました。

ロシアのバレエというのは、20世紀初頭に大きな変化を見せました。
というのは、それまでの「クラシック」バレエの殻を打ち破って
前衛的な美術と舞台の領域を統合しようとするグループが登場したからです。
その代表が、このディアギレフさんが率いた
「Ballets Russes:バレエ・リュス(ロシアバレエ団)」だったわけです。
そんなこんなで「バレエ・リュス」は
(ロシアで一度も公演したことがないのですが)
ロシア前衛バレエの代名詞のように扱われています。

でもね、
今回見てきて実感したのは、
バレエ・リュスはバレエの枠組みを決して出ていないということ。
言ってしまえば、ちゃんと舞台装置があって、書割りがあって、
その中に納まりうる範囲での実験だったのです。
振り付けや衣装は、民族性を意識したものになっていたり、
俗っぽい形のエロティシズムというか、
いわゆる「タブー」も犯したりしているけれど、
劇場に来ている観客は「きれいに着飾ったお金持ち」みたいな。
バレエ・リュスが打ち破ったのは「クラシック」バレエの殻なんだから
別にそれでいいんですけれど。「バレエの殻」は出ていないなと。

ところで、このバレエとか、舞台とか、名前の定義が実は難しいんです。
私が研究しているオスカー・シュレンマーというドイツ人に関する本に
「Tanz, Theater, Bühne」というものがありますが
英語だと「dance, theater, stage」
日本語にすると、「ダンス、演劇・劇場、舞台」ってとこでしょうか。
「舞台」の研究をしていると、ひっかかる言葉です。
シュレンマーはこの辺の問題をウロウロしていて
だからこそ私の興味をひくわけですが。
この言葉についてですが、私は
ダンスは、まあ、身体性が大事で
舞台はその空間的なことが問題で、という使い分けを大雑把にしています。
一番やっかいなのは、theater。
演劇とか劇場とか訳されるけれど、
ストーリー性の有無だったり、芝居なのか、パフォーマンスなのか
細かいところで、結構、微妙な扱いをしなければならない言葉になります。
そういう領域をまたぐところにあるものは定義がややこしいのですが、
その点ではバレエ・リュスはあまり難しくないところにいるのです。
あくまで「バレエ」ですから。
舞台上で物語を踊って表すということを決して越えないのですから。

もちろん、その他の舞台に関する展示もありました。
コメディア・デラルテというもともとイタリアの仮面喜劇をはじめ
カーニバル性があるものとか、
「ブルー・ブルーズ(青シャツ)」グループのプロパガンダ演劇とか。
でも展示内容はタイトル通り、「舞台デザイン」の枠内です。
というか、「舞台芸術の世界」なんだから、世界はまあるく閉じてるのね。

関係ないけれど「世界」で思い出しました。
最近めちゃめちゃ嫌いな言葉の一つ「世界観」。
「○○さんの世界観が現れてて〜」とかよく聞きません?
この言葉をテレビで使っている芸能人は一発で嫌いになります。
大抵、「雰囲気」という程度の意味で使われているけれど
だいたい「世界観」なんてすごいものを持っている人はそんなにいないよ。
だから「世界観」と言う人はちゃんと言葉を選ばずに
何となくいい加減に発してる感じがするので嫌い。
ついでに言うと、
インタビューされて、必ず頭に「そうですね〜」って言う人も嫌い。
そういう人は必ず1回のインタビュー中に
「そうですね〜」を何度も何度も連発します。
あー!考えただけでイライラしてくる。

・・・閑話休題。
なんとなくジワジワと、「枠内に納まる」感を強調してきましたが、
実は枠を越えようとするものが私は好きなのです。
あらゆるものの「境界」が好きなのです。
だって「境界」を跨ごうとするものの方が、問題提起として大きいし、
「境界」の内と外を分けるものが何なのか、考えさせてくれるでしょう?
なので、この展覧会では、資料は提供してもらえたけれど
新しい発見はもらえなかったという感想です。
(この展覧会が決して面白くないわけではないですよ。、
「私にとって」のこの展覧会の位置づけは、という意味です。)
この時代のロシアには、もっと私の興味をそそる
舞台表現・身体表現があるので。
それが出てなかったのがちょっと残念だったのです。
まあ、ディアギレフがメインならそれも仕方ないか。

最後に一つだけボヤいておきたいのが図録。
正誤表が一枚入っていて、それはよくあることなのだけれど、
正誤表に書かれていない間違いを発見。
最初の論文タイトル
「舞台芸術の世界:1990-1945年における演劇、オペラ、ダンスのためのロシア・デザイン」
って、「1990-1945年」ってなんだ?
目次もそうなってる。
変だなと思って英語の方を見たら「〜circa 1900-1945」となってました。
ああ、そうか。・・・ってここは解決したけれど、
他にも間違いがあるんじゃないかと疑ってしまいます。
それもまたちょっと残念。

途中で脱線した内容も内容だし、
私、今日機嫌悪いな。
| 美術や芸術のこと | 23:59 | comments(0) | trackbacks(1) |
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京都国立近代美術館京都国立近代美術館(きょうとこくりつきんだいびじゅつかん)は、京都市左京区岡崎にある、独立行政法人国立美術館が管轄する近代美術館である。*1963年 京都市勧業館別館を改装し、「国立近代美術館京都分館」として開館1967年 独立し「京都国立
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